産後のママさんを悩ませる代表的な症状として、腱鞘炎、尿漏れ、抜け毛、不眠などの痛みから自律神経症状まで様々あります。

 

そのお悩みの中でも「産後の腰痛」が断トツに多いです。

 

今回は「なぜ産後に腰痛が出るようになってしまったのか」「日常生活では何に気をつければいいのか」

このような質問に産後骨盤矯正をしている専門家が解説します。

 

目次

1,産後に腰痛が多い原因とは!?

2,産後の腰痛を改善させる重要なポイント

3,簡単!家事の合間にらくらくエクササイズ

4,日常で気を付けるポイント3選

5,まとめ

1,産後に腰痛が多い原因とは!?

まずは産後の身体がどのような状態に変化しているのかを説明していきます。

 

1、姿勢、骨格の変化

妊娠中は胎児がお腹の中で大きくなっていく過程で、

子宮も徐々に大きくなりお腹の筋肉が引き伸ばされて前に出てきます。

お腹が前に出てくると同時に骨盤が前に傾き、腰が反ってきます。

いわゆる「反り腰」と呼ばれる状態になっていきます。

この「反り腰」の姿勢が腰に負担を与えます。産後もお腹の筋肉は引き延ばされたままなのでこの姿勢は続きます。

 

2,妊娠出産に伴うホルモンの影響

妊娠に伴い、体の中では様々なホルモンバランスが変化します。

 

その中でも腰痛に影響しているのが「リラキシン」といわれるホルモンで、

妊娠3ヶ月から産後2,3日にかけて胎盤から分泌されています。

 

このホルモンは胎児が産道を通りやすくするために、骨盤周りの骨と骨を結合している「靭帯」を緩くしていきます。

骨盤周辺は上半身、下半身を繋ぐ体の「土台」といわれる場所で、

ここの安定性がないと腰痛の症状が出やすいと言われています。

 

産後徐々に元の安定した骨盤の状態に戻っていきますが、この「リラキシン」が分泌し続けているケースも多く、

骨盤の不安定性が続く方もいらっしゃいます。

 

産後は「1,姿勢骨格の変化」「2、妊娠出産に伴うホルモンの影響」の様な状態に陥りやすく、

加えて日々の子育て(おむつ替え、授乳、長時間の抱っこなど)が追い打ちをかけます。

通常半年から長いと1年間この腰痛が続くとも言われています。

 

2,産後の腰痛を改善させる重要なポイント

産後の腰痛を改善させるために必要なことは「姿勢骨格」が重要なポイントになります。

そこで必要な筋肉が「インナーマッスル」と呼ばれるお腹周りにある筋肉たちです。これらは体幹部を支える大事な筋肉になります。

この筋肉がしっかり働いていないと産後に腰痛が出やすくなります。

 

妊娠中のお腹の膨らみによりこれらの筋肉が引き伸ばされます。

お腹の筋肉が引き伸ばされると力が入りずらくなるため、産後はここを鍛え直さないといけません。

 

 

このインナーマッスルの中でも特に引き伸ばされてしまう筋肉が、

「腹横筋」と呼ばれる筋肉です。

お腹の深層に位置し、体の中心を支え、腰に巻くコルセットのような形をしている筋肉です。

 

腰痛を改善するためには特にこの筋肉を鍛えていくことがとても重要になってきます!

 

 

 

 

 

 

 

 

3,簡単!家事の合間にらくらくエクササイズ!

産後の腰痛対策として5分でできる簡単なエクササイズをお伝えしていきます!

 

〇腹式呼吸

 

1,仰向けになって膝を曲げた状態で両手をお腹に置きます。

2.次に3秒かけてお腹を膨らませるようにして鼻から息を吸い、6秒かけて口を「う」の形で息を吐きだす。

吐き出す際の注意点として腰を床に押し付けるようにして息を吐いていく。

これを毎日5分行う。

4,日常生活で気を付けるポイント3選

①睡眠時

寝る時は膝を曲げて横向きで寝る。

仰向けで寝てしまうと腰が浮くような体勢になり、睡眠時に腰が緊張してしまう原因になります。

また、お子様とはなるべく別の布団で寝るのも一つポイント。

睡眠中に寝返りがうてないと体が固まった状態になってしまうため、腰痛の原因となります。

 

②抱っこ

お母さんたちの抱っこを見ていると上半身を後ろに反らせるようにしてお子さんを抱っこされている方が多く見られます。

このような抱っこの仕方だと腰が圧迫され、負担がかかるため注意が必要です。

ポイントとしてはフーっと息を吐きながらお腹に力を入れる事を意識することです。

そうすると自然に上半身が起き上がり、お腹で支えるようになるので腰の負担が軽減されます!

 

③コルセットを使用

産後の腰痛予防としてインナーマッスルをつけていく事はもちろん大事ですが、

筋力がついてくるまでには少し時間がかかります。

痛みがひどい時は骨盤周りに巻くようなコルセットを利用しましょう!

装着することで骨盤が安定し、腰のストレスが軽減されます。

ただし、長期的に利用するのは筋力低下を招くため、どうしてもの時にのみ活用しましょう!

 

まとめ

・妊娠中の姿勢骨格の変化が腰痛に影響している

・ホルモンバランスの変化が腰痛を悪化させている

・産後の腰痛改善のキーワードは「インナーマッスル」

・日常生活では「寝方」「抱っこ」「コルセットの着用」に注意する!

日々追われる育児の中で自分のケアには中々時間がかけられないと思います、、

今回はそんな忙しい中でも簡単にできるようなものだけをピックアップしてみました!

いままで腰痛によってお子さんとのお出掛けや、遊びに行く事が億劫になることが多かったと思います。

「インナーマッスル」をしっかり鍛えることで、痛みを気にする事なく、今しかないお子様との触れ合える時間を増やしていきましょう!