
1.腕をあげると肩が痛い
2.寝ている時に肩の痛みで目が覚める
3.背中に腕を回せない
4.服を着替える動作が辛い
これらの症状でお悩みの方はもしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれません。
「四十肩・五十肩」と呼ばれる症状は、正式には「肩関節周囲炎」といいます。
四十肩・五十肩は、中年以降の方に多く見られますが、年齢に関わらず発症することがあります。
服の着替えや寝ている時の痛みなど肩の症状だけでなく、日常生活に支障をきたし大きなストレスにもつながります。
四十肩・五十肩の症状について
四十肩・五十肩には「急性期」「慢性期」「回復期」の3つに分けられます。
「急性期」
症状が現れてから約2週間が急性期とされ、激しい痛みや可動域の低下がみられます。また安静時にも痛みがあり、寝ている時に寝返りをしただけでも痛みで目が覚めてしまうこともあります。
「慢性期」
急性期が過ぎると、痛みは和らぎますが肩関節の可動域は狭まったまま半年ほど続く慢性期になります。この時期も肩に負荷がかかったり、寝返りなどで痛みが現れることがあるため注意が必要です。
「回復期」
半年が過ぎると痛みがほとんどなくなる回復期に入り、肩の動きも徐々に回復します。
四十肩・五十肩のよくある症状
症状が出るタイミングはさまざまで、何もしていなくても肩の痛みや可動域制限(腕が上がらなくなること)など日常生活に支障が出てきます。
安静時痛:安静にしている時にでる痛み
・肩を動かさず、じっとしている時に痛みがでる
・椅子に座っている時に痛みがでる
動作時痛:肩を動かした時にでる痛み
・手を上に挙げた時に痛みがでる
・手を背中に回したときに痛みがでる
夜間痛:夜間や睡眠している時にでる痛み
・寝返りをした時に痛みで目が覚める
・肩が痛くて眠れない
可動域制限:痛みや肩の動きに制限がかかる
・服を着替えるとき痛みで辛い
・洗顔や洗髪など肩の動きに制限がかかりやりにくい
・高いところに手が届かない
また四十肩・五十肩は夜間痛と言って夜寝ている時に肩の痛みが出てくるのも特徴的です。
夜寝ている時に肩の痛みが強くなるのは、横になることで肩関節への圧力が増加し炎症を起こしている肩関節を刺激します。
日中は立っているか座っているため、肩関節の負担は比較的小さいですが夜間横になると体重の一部が肩にかかり肩関節への圧力が増加するためです。
四十肩・五十肩の原因
①加齢による影響
加齢に伴う肩関節周囲の組織が老化するため、肩関節を構成する骨や筋肉、靭帯などの組織は徐々に柔軟性や弾力性が低下します。そのため肩の動きが悪くなり痛みも出します。
また肩の動きをスムーズにする役割である滑液包(滑液で満たされた潤滑油のような袋)の滑液の分泌が減少することも肩の動きの悪化につながります。
②肩の使い過ぎ
野球やテニス、バレーボールなどのスポーツなどで長年繰り返しの動作や癖など肩をよく使う場合肩関節に大きな負担がかかり炎症を起こしやすくなります。
スポーツだけでなく、重いものを運ぶ作業やデスクワークで長時間同じ姿勢を続けることでも肩関節の負担は大きく蓄積することで引き起こされます。
③血行不良や冷え性
冷えなどで血行が悪いと肩関節周囲の組織へ酸素や栄養の供給が不足してしまい炎症が起きやすくなります。
④猫背や巻き肩など姿勢が悪い人
猫背や巻き肩は肩甲骨の位置がずれるため肩関節に負担がかかりやすくなります。
⑤運動不足
運動不足の場合、肩関節周囲の筋肉が弱くなり肩関節を安定させることができなくなります。肩関節の柔軟性と安定性を維持するために適切な運動が必要です。
四十肩・五十肩に対しての対策方法
最後に四十肩・五十肩で簡単なストレッチ、日常生活で意識するポイントをお伝えします。
①無理に動かさない
急激な動作や過剰な負荷は炎症を悪化させる可能性があります。痛みを感じる動きは避け、可動域内でゆっくりとした動作を心がけましょう。
②痛みが強いときは無理にストレッチしない
痛みが強いときは、無理なストレッチや運動は逆効果になる場合があります。痛みが少ない範囲で優しく動かすことが大切です。
③長時間同じ姿勢を避ける
デスクワークやスマートフォンなど長時間の使用で同一姿勢のままでいると、首肩まわりの筋肉が硬くなり血流も悪くなります。
定期的に立ち上がったり、肩を軽く動かすなどをして血流を良くしていきましょう。
簡単!四十肩・五十肩ストレッチ方法
ステップ1 まずは姿勢を整えます
・机に手を置いて痛い方の腕を下に垂らします。この時体は前傾姿勢になり、バランスをとれるように足は肩幅ぐらいに開いておきましょう。
ステップ2 ぶら下げた腕をゆっくり動かします
・腕の力は抜いてだらんと腕を垂らしたまま、腕を動かします。
前後10回、左右10回を目安に行いましょう。
またストレッチを行うときにはいくつかの注意点もあります。
・呼吸を止めない
ストレッチ中は呼吸を止めてしまうと筋肉は緊張しやすくなり、効果を半減してしまいます
・反動をつけない
反動をつけると筋肉や関節を痛める可能性があります。ゆっくりとした動作で筋肉が伸びていることを意識しながら行いましょう
・温めたあとに行う
ストレッチ前にお風呂に入ったり、蒸しタオルで温めたりすることで筋肉が柔らかくなりより効果的にストレッチを行うことができます。温めることで血流が良くなり筋肉の柔軟性が高まります。
・毎日続ける
ストレッチの効果を高めるには毎日続けることが大切です。一回に長時間行うよりも短い時間でも毎日続ける方が効果的です。
ストレッチを行うときは上記のことに気を付けながら、体の血流を良くできるようにしましょう。