生活の中で「キーン」や「ゴー」「ザー」など周りには音が聞こえるはずがないのにも関わらず鳴っていませんか?
耳鳴りの原因は加齢や筋肉の痙攣、ストレスや疲労などさまざまです。
今回はなぜ耳鳴りが起きてしまうのかについてお伝えします。
①耳鳴りの種類
まず耳鳴りには「自覚的耳鳴り」と「他覚的耳鳴り」に分かれます。
自覚的耳鳴り
本人だけが聞こえる耳鳴りで、「キーン」といった高音の耳鳴りや「ゴー」「ザー」などの低音の耳鳴りが聞こえることがあります。
他覚的耳鳴り
他人にも音が聞こえる耳鳴りで「ドクドク」と拍動性の音が聞こえたり、筋肉の痙攣による「カチカチ」という音などが聞こえることがあります。
今回は通常耳鳴りという場合は自覚的耳鳴りになりますので、こちらについてお話していきます。
耳鳴りの原因
1.「キーン」など高い音が聞こえる場合
耳を塞ぐと「キーン」などの音が強くなります。電子音や金属音に似ています。
1.老人性難聴
加齢に伴う聴力低下が原因で耳鳴りが生じることが多くあります。これは内耳にある蝸牛の音を感じる細胞が衰え、細胞数が減ったために起こります。特に50~60歳代の方に多く見られます。
2.突発性難聴
急に片方の耳だけ音が聞こえなくなる難聴で、めまいや耳鳴りの症状も出てきます。ストレスと関連性があると言われています。
3.音響外傷騒音による耳のダメージ
コンサートやライブでの大音量やイヤホン・ヘッドホンで長い時間音楽を大音量で聞いていると、音響外傷を発症する恐れがあります。大きな音で蝸牛の細胞に傷がつき耳鳴りや難聴を発症することがあります。
4.自律神経失調症
睡眠不足や疲れ、ストレスなど自律神経が乱れることによって起きる耳鳴りです。
5.メニエール病
目の前がぐるぐると回転しているようなめまいが起き、吐き気や耳鳴り、耳閉感を感じる場合があります。20~50代の女性に多く、持続する時間は数分~数時間と幅広いです。
2.「ゴー」や「ザー」などの低い音が聞こえる場合
耳閉感(耳に詰まりがある感覚)があり、エアコンのから出る風の音やトンネルを通っている時の音のような低い音に似ています。
1.中耳炎・耳管狭窄症など
耳管(耳と鼻をつなぐ管)や中耳(鼓膜の内側にある部分)に何らかのトラブルが発生すると、低い音で耳鳴りを感じる場合があります。
2.急な気圧の変化
急な気圧の変化で耳鳴りが現れます。
3.首・肩こりや疲労、ストレス
低音の耳鳴りが首・肩こりや疲労、ストレスによって現れることがあります。
4.低音障害型感音難聴
片側の耳が低音を聞き取りづらくなり、低音の耳鳴りがすることがあります。めまいはなく聴力の回復は早いのが特徴ですが、疲れやストレスなどが溜まっていると発生する可能性があります。20~40代の女性がかかりやすい傾向があります。
人が音を聞くときの仕組み
耳鳴りを起こす方の9割は加齢による難聴からきていると分かっています。
難聴とは音が聞こえづらくなることなので、耳鳴りを起こしている方は音を聞く仕組みに異常があるといえます。
まずは人が音を聞くときの仕組みを説明します。
本来音が耳に入ってくると、鼓膜が音によって振動して耳小骨という場所でさらに増幅され耳の奥に伝わっていきます。
すると蝸牛という音を電気信号に変える器官に届き、脳に伝わることで音として認識される仕組みとなっています。
それが加齢による難聴によって多くは高音域が聞こえにくくなり、異常があると電気信号に変える機能が弱くなり脳が音を認識しずらくなります。
聞こえにくい音があると脳に変化が起こり、電気信号が少なくなったことを感知して聞こえないことを補うために過度に反応することで電気信号を増幅させます。
よって音が鳴っていないときにも過度に反応が起きることで、音が鳴っていると勘違いしてしまいキーンなどと聞こえてしまいます。
その対策として補聴器で聞こえにくい音を増幅させることで、脳が過度に反応していた状態が落ち着き耳鳴りの症状が改善するという方法は一つの手段としておすすめです。
耳鳴りを改善させるポイント
また補聴器を使って耳鳴りを改善する方法以外にも、耳鳴りに意識がいかないように物事に集中できることを日常生活に取り入れることをおすすめします。
・絵を描く
・音楽を聴いたり、映画を見る
・ジョギングやヨガなど体を動かす
・ドライブやカフェ巡りをする
・キャンプや釣りなどアウトドアを楽しむ
耳鳴りは意識することでさらに音が大きく聞こえ、さらに耳鳴りに対して意識してしまうという悪循環に陥ってしまいます。
このように耳鳴り以外のことで集中できるようにして、耳鳴りから注意をそらすようにしましょう。
また寝るときには周りが静かだと耳鳴りに意識がいきやすく、大きく聞こえるということもありますので自然の環境音などのBGMを流し無音にならないように対策しましょう。